2014年11月15日

10万もする開発ツールが無料になるという事はソフト産業の終焉を意味している

Visual Studio Community 2013

今週のこのMicrosoftの発表は正直かなりのショックだ。なぜなら、この発表はソフト産業が事実上儲からない事を意味しており、この産業が一部の企業でのみ存続する事を如実に物語っているものだと痛感させられたからだ。昔の筆者ならものすごく喜んだのだろうが、今は違う。


VisualStudioはVersion1.0の英語版から自分で購入して使っていた開発ツールだ。最後に購入したのはMSDNとして購入した中に入っていたVisualStudio.NET2003だ。しかしこのツールは全く使っておらずもっぱらVisualStudio6.0を使っていた。

現在MicrosoftはAppleやGoogleの後塵を拝している状態で、ソフトは有料だというビルゲイツの主張どおり開発ツールであるVisualStudioも有料だった。筆者もこの意見に異論はない。多くの金と時間を費やし苦労して作ったものが無料なら商売は出来なくなるからだ。

しかしコンピュータの世界では成果物であるソフトウェアが簡単に複製できるため、今まで高価だったUNIXのクローンをプログラマーが作り、それを利用したGoogleやAppleのソフトウェアの屋台骨を支えることになり、Microsoftの収益低下を招きビジネスモデルをも変えざるを得なくなってしまった。GoogleやAppleは無料ソフトを最大限利用してのし上がり、ソフトではなく自身が構築したインフラやサービスの利用料金で収益を上げるようになってしまった。ソフトは必要不可欠ではあるが、それそのもので儲けてはいないのだ。

この二社やMicrosoftが運営するアプリケーションストアで扱うソフトは、ゲームやしょぼいツール以外基本的にサーバー側で実行されるサービスのフロントエンドだけであり、個人や多くの中小ソフト専業メーカーが手に負えるようなものではなくなっている。仮にソフト専業メーカーがそのようなソフトを作ってもアプリケーションストアの運営企業が同じようなソフトを出してしまえばそれでおしまいである。Officeソフトがいい例だ。昔はパッケージソフトとして各社から発売されていたが、Microsoftが同じソフトを出したため今では見る影もない。サーバーサイド側で実行されるソフトならなお更アプリストア運営側に有利になる。各OS上で実行するより制限が多すぎるからだ。制限が多ければ工夫のしがいもできなくなり、制限を緩和できるのはインフラ提供側だ。

ソフト産業は筆者が以前から言っている無料経済に一番近い業種だ。一気に何もかも無料になってしまえば問題ないのだが、それに至るまでの過渡期はどうしても何らかの収入手段が必要になる。だからこそ筆者はショックなのだ。まして国家が固定資産税や住民税をゼロにするなど現時点では全く考えられないし、将来ゼロになるとしてもそれは一番時間かかるものになるだろうから困るのだ。

他人の成果物をうまく利用して業績を上げたAppleもGoogleもいずれ収益が下がっていくだろう。一人一人の収入が低くなれば当然大企業の収益も下がる。CDやDVDに入ったソフトを売っていたかつてのMicrosoftと違って、インフラを常に維持しなくてはならない今のITの先端企業は物理的な図体が大きくなりがちで、それがリスクとなる。

いずれ、筆者のソフトも大部分フリーソフト化せざるを得なくなるだろう。はっきり言って使われないよりマシだと言うことでフリー化するのだ。
ソフトウェアはやはり読み書きそろばんならぬ、読み書きプログラミングの範疇に入ってしまい、成人した大人なら誰でも料理を作るような感覚で必要になったらすぐその場でツールを作り、巨大システムをも短時間に作ってしまうようになるのだろう。
posted by danpei at 13:01| software