twitterで勝手にアップデートされて不評のWindows10の広告が出てきた。ごり押しアップデートはもちろんダメだが、使い勝手の面でもWindows10以上の不評であったWindows8/8.1に未練を残したインターフェイスであり、システム設定部分が従来からあるコントロールパネルとユニバーサルアプリと2つに別れており、統合されておらず付け足しの様な感じである。
企業ユーザからすれば微妙なユーザインターフェイスの変更はコストアップの原因になるから敬遠され、かつ、Windows10にしてもしょっちゅう更新が発生し、アプリケーションが安定して動かなくなる恐れが常に発生している。これではどんなにシェアを広げようと思ってもうまくいくはずがない。
人は手馴れたものや環境から離れたくないものだ。これは合理的な考えではわからないものだ。趣向の問題でもあり、それを強制的に変更させる試みは反発を生む。
Microsoftはなぜそのような事をするようになったか?これはAppleの真似としか思えない。iPhoneの大成功でOS提供側がユーザを完全にコントロールするのが望ましいと考える様になったとしか思えない。加えてOSのセキュリティ強化も要因ではあるが、それは単なる口実の様に思える。
MS-DOSやWindowsが広く普及した原因の一つは、OSのカスタマイズ性にあると思っている。Microsoftが提供した開発ドキュメントでもOSを容易にカスタマイズできる方法を示し、PC関連メディアがそれを分かりやすく紹介していた。しかし、Windows7あたりから開発レベルでのOSのカスタマイズがほとんど出来なくなってしまった。Windows10ではデスクトップ上のウィンドウの色指定さえもかなり制限されている。携帯アプリにあわせた単調で原色系の色しか選択できなくなっている。一方で、Microsoftは報道によるとモバイルアプリ開発を諦めてしまったようだ。だから、モバイルに何が何でもこだわる必要性がなくなってしまったのだ。
無論、デスクトップ上でも、何から何までモバイルを強制しようとするMicrosoftの態度は初めから良いわけではない。モバイル環境もOKですよという選択肢を用意すればいいのに、モバイル一択にユーザを強制させようとしてWindows8/8.1は大失敗した。そしてまだその思想はWindows10でも残っている。モバイルアプリ イコール ユニバーサルアプリであり、このユニバーサルアプリに既存のアプリケーションを全て移行させたいのがMicrosoftの意向だからだ。しかし、前述のとおりMicrosoftは自身が提供するモバイル環境の普及を事実上諦めてしまった。ユニバーサルアプリの存在意義はMicrosoftのアプリストアに載るだけのものになってしまった。
Microsoftのモバイル進出が大きく遅れ、他者に大幅リードされた結果、Microsoftは足元を見る事が出来なくなってしまい、事実上迷走状態になってしまった。カスタマイズ性や下位互換性を捨てたWindowsはユーザの細かいニーズに応える事の出来ないでくの坊になってしまったのだ。
Windows10はLinuxシェルの一つであるbashがネイティブで動くようになったが、それができるならMicrosoftは以前のOSの概観に変えられるような仕組みを提供すべきだ。タイトルに書いてあるとおりウィンドウマネージャをカスタマイズできるようにすべきだ。Microsoftはこのカスタマイズは推奨できなく、変更した際のリスクは当社が負わないと言っておいて、カスタマイズ手段だけを提供すればいいのだ。
そうすれば、企業ユーザは必要最低限のユーザインターフェイスを備えた専用のウィンドウマネージャを開発して運用するだろうし、一般ユーザは昔の使い慣れたWindowsXPとか7のインターフェイスを使うだろう。その中から最新の機能であるユニバーサルアプリやアプリストアを起動するのは別段ユーザ側にもMicrosoft側にとっても難しいことではないはずだ。またカスタマイズしたウィンドウマネージャだからと言ってセキュリティが低下するものではないだろう。これはカーネルや各サービスのAPIに関わる話であり、見た目の問題に直接関わるものではない。
Microsoftは、ユーザのカスタマイズ手段を大きく制限しているiOSやAndroidにも細かいカスタマイズできるようさせる、脱獄化ツールやroot化のツールがあること認識すべきだ。ユーザを支配するのではなく、あらゆるニーズに応えられるOSが支持されるOSだと認識すべきだ。
2016年05月21日
Windows10はウィンドウマネージャをカスタマイズできるようにしろ
posted by danpei at 10:28| software