https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1558548.html
2023年は「DOS/V」の終焉
一部抜粋
「 事実、かつて多数存在していた、DOS/Vという名前を冠する製品や商標は、現在は目にする機会はほぼなくなっており、身近なところで例を挙げろと言われても、今回のパワレポ以外に挙げられない人がほとんどではないだろうか」
今日久しぶりに自作PCを組み立てた。最近は省電力PCばかり使ってたが、GPU内蔵CPUだとビデオ機能がいかれたら全とっかえになるし(今使っているMacMiniが熱でおかしくなることが頻発し、来夏はこれでしのげるか疑わしいのだ)、
速度も速いのが欲しくなったので、ビデオカードも久しぶりに買った。
でも、上の記事を見て、もしかしたら自作PCもできなくなるのではとも思い始めた。
DOS/Vは、米国のIBM-AT/PC上で動くMS-DOSの日本語版を意味するが、DOS/V機は(それが出た当時は)、要するにその米国製PC上で日本語版MS-DOSを動かすPCの事を意味する。当時米国から個人輸入がブームになって筆者も真剣に検討した時期があったが、このDOS/Vの日本市場の展開により、現在のショップブランドPCが勃興し始め、結局現在ドスパラと言われるDOS/Vパラダイスという店のショップブランドPCを購入した。GatewayのIntel486DX66MHz搭載のPCの互換機という触れ込みで、1992年、社会人になって最初の給料から398000円で購入した。断わっておくがが初任給は39800円は超えてはいない。
398000円は今ではものすごく高いと思われるが、同じスペックのGatewayのPCは50万はしたのでこれでも随分と安いPCだったわけだ。DOS/V機が普及する前はNEC-9800シリーズが個人PCの定番であり、売れ線は安売りでも40万越えが普通だ。具体的にはPC-9801RAとかあたり。
この筆者が購入したPCは確かDOS/Vパラダイス初のショップブランドPCで、買うきっかけとなったのはPC雑誌の後ろの方のページに白黒の広告だけが多数掲載されてた中に確か10cm*3cm程度の大きさの広告だったと思う。筆者はそれを見て電話で注文した。電話口から「ついに来たよ…」みたいな、驚きとも思えるようなつぶやきが聞こえた。具体的につぶやいた内容は忘れたが、その口ぶりから初めての注文だったと思われる。だから多分筆者がドスパラの最初のショップブランドPCの購入者なんだろうと勝手に思っている。
このPCに英語版Windows3.1とWin/Vと言われる日本語化ソフトを入れ、英語版VisualStudio1.0をインストールして本格的にWindowsプログラミングし始めたのだ。電源ONでズドンと言う感じですぐに起動したのが気に入っていた。10秒くらいで起動してたと思う。
使っているうちにHDDを増設したら、今では存在しないHDDの相性問題が発生して、新しいHDDのフォーマットをしていたと思ったら既にあったHDDをフォーマットしてしまうトラブルに遭遇し、これまで作っていたプログラムコードが消されて、夜うなされてしまうほどのショックを受けてしまった。
ビデオカードはその後AMDが買収したATI製のGraphicsUltraとか言う奴で、その当時からビデオドライバの出来が悪く、改訂版が出るほど処理速度が遅くなってしまった。だから今回買ったビデオカードは当然ながらATIの流れをくむRADEONでなくnvidiaを選んだ。CPUはAMDにしたけど。
それから30年超の年月が経ち、もうすぐ2024年になろうとしている現在、PCは携帯電話よりも安く購入できるほど安いものになってしまった。今回買ったのはマザーボードとCPUとGPUとケース、メモリだけであとは既に持っているものの流用。8500+14000+9000+3500+6000=41000円。既に買ったやつの値段はSSD 4000円 電源1万円程度だから総計5〜6万程度だ。それでも筆者には十分なものなのだ。(値段はうろ覚えで正確ではない)
でもDOS/V機と言われてきた今のPCは、Microsoftの戦略で今後無くなっていく可能性が高いと筆者は思っている。既にMicrosoftは自社のノートPCを出しているし、今後はデスクトップPCも出してくるだろう。となるとPCは別会社から購入する事は無くなっていく可能性が高い。MicrosoftはAppleの後追いばかりだから自社OSは自社製の専用PCだけ動かせるようにしてくるはずだ。
そうなるとマザーボードメーカーは一気に淘汰され、ショップブランドPCも消滅することになる。そしてCPUメーカーも潰されてしまう。
問題なのはパーソナルコンピュータ(PC)の自由なカスタマイズはもうできなくなる可能性が高いのだ。LinuxなどのフリーUNIXが個人で自由に使えるのも、比較的自由度の高いPCや規格が整ったマザーボードがあるから可能なのであって、MicrosoftがAppleのように全部自前でやってしまうと、PCの各パーツも単品売りしなくなるだろう。
…となると、残された道はMacやWindows機にフリーUNIXをインストールするぐらいしかできなくなる。でもこれはメーカーが自社OSしか動かないようにしたらおしまいだ。今のAppleやMicrosoftなら十分それをしてくると思っている。
筆者が楽しくて仕方がなかったパソコンの醍醐味は無くなってしまうのかもしれない。既にWindowsは完全にユーザをコントロールしている世界になっているし。
唯一の希望はRISC-VのPCが標準化するぐらいしかないだろう。ラズベリーパイも選択肢としてあるが一企業の製品であるので、売り上げが上がると最終的にAppleやMicrosoftのような閉鎖的な世界にしていくだろう。
2023年12月30日
DOS/Vが死語になるということはPCの終焉を意味することかもしれない
posted by danpei at 19:20| hardware