クアルコム、業績不振のインテルに買収打診 WSJ報道
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN20E180Q4A920C2000000/
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【シリコンバレー=清水孝輔】米半導体大手クアルコムが業績不振の米インテルに対し、買収を打診したことが20日わかった。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)などが報じた。インテルの時価総額は19日時点で約900億ドル(約13兆円)で、実現すれば巨額の買収となる。
関係者の話として、現時点では「合意にはほど遠い」とも伝えている。
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買収が出来なくても完全にintelは終わった。この報道はintelの回復不可能なイメージダウンになり、さらに経営悪化してしまう。
何という盛者必衰。これでWindowsの隆盛も完全終了だろう。そもそもMicrosoftがARMアーキテクチャのCPU上で動くWindowsを出したのもIntelがコストパフォーマンスに優れていないことの表れで、結果として商品競争力が無くなると見たからだと思うが、Microsoftもこれで同時に衰退するだろう。PCとWindowsとintelのx86アーキテクチャの隆盛の終わりだ。時代の変わり目だねえ。PCの黎明期からかかわってきた筆者からすれば寂しさもある。
過去を振り返ればintelは結構な失敗を何度も繰り返しているが、自社のx86アーキテクチャという参入障壁によって守られて経営には致命的な悪影響を与えなかった。しかし今は違う。スマートフォンの普及によりx86アーキテクチャは次第に多くの人から無視されてしまったのだ。
ニコンが原因だと掲示板に書き込んだ人がいるが、これは、露光装置をIntelに提供していたニコンが最新の製造プロセスに対応したものを提供しなくなったためという意味なのだろうが、それも一因ではあるだろう。最近のゲーマーが主に使う高価格帯CPUの不具合は、当然ライバルのAMDに流れてしまう原因となる。
SONYの次期プレステのCPUに採用されなかったと言う報道もあったが、順当に考えれば昔から採用されているAMDを採用する方が無難だし、Intelがあらゆる面で劣っていたからとは思えないが、AppleがIntelから自社設計CPUに切り替えたことから、大口のクライアントの柔軟な要求にIntelが応えてくれなかったのが不採用の原因の一つだと思っている。要するに殿様商売だったのだろうという事だ。
以前のブログエントリーで、
「これからは機器ごとにCPUやOSなどを設計する時代」と言う意味を書いたが、その通りに時代が推移するとなればMicrosoftのみならずクアルコムも安泰ではない。RISC-Vという命令セットが完全パテントフリーのCPUアーキテクチャが既に出ている以上、より安価な機器が出回りこれまでの利益を圧迫する。
クアルコムの生命線は携帯電話のプロトコルである5Gや6Gの特許技術だろうが、既にスマホの急激な成長は終わっており、5Gや6Gは周波数が高い分、多額の設備投資が必須になり、業界全体が高コスト体質になるからこれまでの様にうまくいくとは思えない。
Microsoftは、今となってはMicrosoft Excelだけが牙城となっている会社であり、サーバー事業もその表計算ソフトがなければ他のメーカーにすぐに食われてしまう存在だ。筆者が今開発しているソフトが最後のWindows開発となると決めている理由も、Excelが牙城のMicrosoftの劣勢が遠因となっている。
加えて筆者の印象ではMicrosoftはサーバーソフトウェアの技術力が根本的に無い。クラウド時代と言われて久しいが、自社サイトも自社のWebブラウザでもまともに動かないものを提供しているのには心底呆れた。NTTやJRなどの旧国営企業の使い辛いWebサイトよりも劣っている。なぜなら致命的なシステムエラーが幾つも出てしまうからだ。Microsoftに比べれば普通の民間金融機関の方が遥かにマシなサイトを作っている。
今は人工知能関連で過大評価されているが内情は酷いものだろう。Microsoft Edgeのトップページを見れば分かるが広告業にも手を出しているし、じり貧である事を自覚しているのは明らか。
基本的にハイテク技術は、それを開発する企業までジリ貧に追い込むデフレの大きな原因だ。今隆盛を極めているnvidiaとてそれには抗えない。もう技術至上主義、物質至上主義ではときめかず、人々が救われない時代になってきている。
2024年09月21日
Wintel時代の完全終焉
posted by danpei at 12:50| 政治経済