2011年11月28日

工学的応用で終わるか?それとも全く新しい物理法則の発見に繋がるか?

フリーエネルギー、UFO、第3起電力で世界は大激変する 永久機関の原理がすでに見つかっていた 出井治

フルフォード氏のブログを久しぶりに見たら、出井治という名前が出ていたので、「あれ?、どっかで見たような記憶があるな」と思ったのだが、もしやと思っておよそ20年前に買った「未知のエネルギーフィールド」という本を取り出し中身を見たら、やっぱりそうだった。
 この本の中でEMAモーターというアメリカで開発された不思議なモーターについての考察記事を書いた人がその人だ。筆者はWeb上でこの人の所属する組織のHPを見つけられなかったから、てっきりこの人も行方不明になってしまったか!(笑)と思っていたが、その後も研究を続けていたんだ。早速手に入れて読んでみた。知らない人のために説明するとEMAモーター(新刊書ではエマモーターと書かれてある)は、入力より出力が大きいモーターで、それ以外にもいくつかの特異な特徴を持っている。駆動回路にわざと放電現象を起こしている部分がある。稼働するとスターターの電源がいらなくなる。稼働中モーターに水滴が付く。などなど。

「未知のエネルギーフィールド」で出井氏はこのモータの考察に加えて、EMAモーターをヒントに独自に開発した「エーテルエンジン」(出井氏が付けた名称。エーテルを使っているわけではない)の紹介を行っている。これは基本的に既存技術のブラッシュアップに過ぎないと筆者は読んで思っていた。ローターとステーターが近づく際に起こる抵抗を抑える特定方向に磁場を放出させないシールドコイルの開発が肝だからだ。
これでは最近滋賀の大工が発明した効率的な発電機と基本的に同じ発想のものだ。
 筆者は、この本の編者の主張と同じくEMAモーターは放電現象そのものに鍵があると思っていたから出井氏の研究にあまり興味が沸かなかった。

それから数十年。新刊書の解説では開発したのはモーターではなく、インバーターになっていた。これは未知の現象がモーターには関係ないということだ。これは筆者も最初からそう思っていた。

でも実際この新しいインバータの解説を見ると、なんだか拍子抜けしたというのか、工学的応用で終わってしまいそうな感じがした。でも、100%を越える超高率を達成したというのだから研究した意義はもちろんある。

要するに、短時間にスパイク状の電流をトランスに入れると超高率に達するというのだ。筆者もこの本を読む前から、微分できないようなパルス波とその過渡現象こそフロンティアがあると思っていたのだが、単純にそのような波を入力することで入力より出力が大きくなるとは思っていなかった。電力量は同じでも極めて短い時間に放出すれば電力は理屈では無限大になる。しかし、全体の電力量(エネルギー)は同じだ。しかし、彼の研究結果ではそうではないという。

本の中でEMAモーターを解説したあるアメリカ人(EMAモーター開発を行っていたイブグレイ社の社員)は「このモーターニコラテスラの研究がベースになっている」と述べたという。
 ニコラテスラは共振現象を研究していて全世界どこでも無料で電気を引き出せる研究をしていた。要するに地球全体を共振させてそこからエネルギーを取り出す事を考えていたのだ。
だから、避雷針から電気を出して上空の電気と共振させて大停電を起こしたり、ウォーデンクリフタワーという男性性器みたいな鉄塔を建てたりしていた。

筆者の見解は、共振現象とは入力したエネルギーを単に溜め込んでいるだけで100%以上の超高率にはなり得ないと思っていたから、テスラの実験も本当に意味があったのか理解できなかった。彼の研究当時書き記したノートもamazonから取り寄せて読んだが、単なる共振回路についての記述に過ぎないと思っていた。

しかし、今回の出井氏の研究では共振現象から超高率を引き出せる事を示唆しているようだ。
具体的にはスパイク波をトランスのコイルに残っている残留磁束が無くならないうちそのトランスに入力することで、エネルギーが中で増加される。出井氏は雪崩現象と言っているが、例えは悪いが東日本大震災の際に起こった幾重の津波のようなものだ。最初の津波が引かないうちに第二波の津波がやってきて、波の高さが高くなっていくようなものだ。
実験結果からすると最高200%以上の超効率を上げられるそうだから、これを応用すれば空調の消費電力を半分以下にすることが出来、発電所の負担も相当軽くなるだろう。新刊書の最後に書かれた研究解説部分は大手電機メーカーや部材メーカーが興味を引くような記述がいくつもある。

肝心となるその回路(トランス部分)は残念ながら本には書かれていない。超高率を達成した実験設備の写真もあるが肝心部分のトランス部分は衣類を入れるような大きなプラスチックの入れ物の中に隠れている。要はそこが特許技術なのだろう。わざとエアギャップを設けているそうだがら、この部分はEMAモーターをヒントにしたのだろう。

 基本的にフリーエネルギー装置というのは開放系で、筆者が読んだトーマスベアデンの本でもコイルはフリーエネルギー装置だと解説している。要は吸排気のようなものだ。空気を思いっきり吐きだしたら、吐き出した空の箱がその反動で周囲から吐き出したもの以上のものを取り込んでしまうと言うことなのだろう。

ここまで読んでも彼の研究は嘘っぱちと思う人は多いかもしれないが、彼の研究論文は米国物理学会の「応用物理学ジャーナル」に掲載され、NASAの研究所からNASA主催の国際会議に研究発表して欲しいという手紙が届いたそうだ。
 そして今年3/15〜3/17メリーランド州立大学で行われたSPESIF2011という国際フォーラムで研究発表したそうだ。(主催者は国防総省、エネルギー省、NASA、米空軍研究所) そこで会議の議長やエネルギーセッションの座長らに別室に呼び出されて質問攻めにあったそうだから、アメリカ人も相当興味があったのだろう。

 それにしても出井氏はEMAモーター開発者のようにならなくて良かったものだ。このような開発を行うと弾圧が必ず行われるからね。EMAモーターの開発企業は地方検察に弾圧され(日本と同じだ)、このモーターを発表した新聞社は倒産し(出井氏曰く日本で言う東スポみたいな新聞)、発明者は身の危険を感じてか表に出られなくなり程なく死んでしまったそうだし。

この手の技術はまず理論として、成果物としてある程度完成させた段階でないと潰される。理論で完成されているならあらゆる国家の多くの研究者の支持が出てくるし、100%再現できる成果物なら、潰そうという勢力よりもそれ以外の業界の勢力が優勢になる。

でも、彼の研究がアメリカで先行したら、結局また日本お得意の逆輸入で日本人が優れていた研究を行っていたということになるだろうね。マグネトロンとか八木アンテナとか光ファイバーとか。

それにしても、この研究に際し、東電が出井氏の研究に協力していたのは笑えるね。フリーエネルギー開発に東電が協力していたということになるから。(出井氏の伯父が東電の技術開発研究所に在籍していた縁から)
 また、EMAモーターの取材に出井氏が行くときにあの矢追さんが絡んできたというのは面白い。放送機材を矢追さんから渡されてフィルムを回しっぱなしにして欲しいと言ってきたそうだ。
posted by danpei at 13:14| science